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はてなブログからの公式のお知らせを発信します。

店舗とレストラン情報の構造化データに対応しました(SEOに関する寄稿あり)

はてなブログでは、グルメ情報サイトぐるなびのデータと連動し、「構造化データ」に対応しました。レストランの情報を分かりやすく表現でき、読者や検索エンジンに対して記事の内容を正確に伝えられます。旅先で食べたご当地グルメ、行きつけの美味しいお店のレポートなど、グルメ記事を書かれる方におすすめの新機能です。どうぞご利用ください。

本稿では、SEO専門家の辻正浩さんにご協力いただき「構造化データの効果や使い方」についてご紹介いたします。SEOに興味のあるブログ運営者の方には役に立つ内容となっています。記事の後半では、はてなブログでの構造化データの使い方をご紹介します。合わせてお読みください。

本稿の構成

【寄稿】はてなブログならグルメ記事がSEOに有利! 構造化データのご紹介

本パートでは、はてなブログの記事を「構造化データ」に対応する意義について、SEO専門家の辻正浩(id:t-w-o)さんに解説いただきました。

検索エンジンは「意図に合う情報」を表示する領域へ

検索エンジン、特にGoogleは進化を続けています。

例えば「ビュッフェ」と検索すると、少し前までは「ビュッフェとは?」といったビュッフェの語源などを示すページが主に表示されていました。しかし現在は、検索された場所に近い「食べ放題」のお店がわかるページが表示されています。「ビュッフェ」という単語を使っていなくても「食べ放題」や「バイキング」について書かれたページが表示されるのです。ビュッフェが食べ放題、バイキングなどとほぼ同じ「意味」を持つこと、そしてそのページの情報がどの場所について書かれているかを認識して検索結果が作られています。

現在の検索エンジン、特にGoogleは「検索されたキーワードを含むページ」を探すのではなく「検索された意図に合う情報」を提示する検索エンジンになりつつあります(※これはGoogleのみで他の検索エンジンの多くの日本語の検索結果ではまだその領域に達していないようです)。そのため、検索エンジンに評価されるには、情報の「意味」を検索エンジンに伝わりやすくすることが効果的となります。

単に「丸の内で美味しいスープカレーを食べた」とだけ書いても、それが「東京都の丸の内」か「名古屋市の丸の内」かを理解できずに検索エンジンが混乱することがあります。「川内のカフェ」とだけ書いても、それが仙台市の川内(かわうち)なのか、鹿児島の川内(せんだい)駅のことか、川内(やせん)のことかは検索エンジンには理解できません。このようなトラブルがなく、記事の意味が検索エンジンに伝わるようにできれば、記事はより検索エンジンから正しい文脈で取り扱われるようになって、より多くの人に伝わるようになります。

記事の意味を伝える「構造化データ」

さて、それではブログの記事に書かれていることの「意味」を検索エンジンに伝えるにはどうすれば良いでしょうか? 現在のGoogleでしたら、誰が読んでもわかりやすいように整理して記事にまとめることが第一です。それだけで大抵は検索エンジンに意味も伝わります。ただし、文章の書き方や癖にもよりますし、いくつかの情報の領域、例えば上で挙げました地名などではうまく認識されないことがまだまだあります。そうした場合に非常に有効な方法があります。それが構造化データです。

構造化データとは、例えばこういうものです。

<span itemprop="addressLocality">夕張</span>

「夕張」をaddressLocalityとして記述することで、市区町村だと指定しています。これで「夕張」が地名であって人名・艦名等ではないということを示します。このような、文字だけではわからない意味などを宣言する書式がWeb上での決まりとして定まっているのです。

構造化データの使用をGoogleは公式に推奨しています。位置情報やレシピ、レビューなどを構造化データで記載した場合には、検索結果でリッチに表示されることがある*1と説明していますし、可能な限り多くの構造化データを利用すべき*2とも言及しています。

構造化データを正しく使えば、より検索エンジンに正しく情報が伝わり検索する人に役立ちやすくなる。つまり検索でも有利に働くということが公式に認められているのです。

構造化データを正しく使う

このSEOにも強くなる構造化データですが、グルメ情報でも構造化データが定まっています。店舗などで使うLocalBusiness*3や、レストランで使うRestaurant*4です。ブログでグルメ情報を書く場合は、この構造化データを使うことが望ましいため、上記のリンク先の説明の通りにHTMLを記述すれば良いのですが、それは必ずしも簡単なものではありません。

構造化データは適切かつ正確な情報を含める必要があります。1文字を間違えるだけで認識されないこともありますし、誤ってスペースを一つ加えるだけでもうまくいかないことがあります。またドキュメントは英語のみです。これらのことはプログラミングに慣れている人には当然かもしれませんが、一般的なブログを書かれる方にとっては容易ではないでしょう。このような仕様になっていますので仕方がありません。ブログなどで記事を書かれる方はドキュメントを確認された上で注意して記述していただくしかありません。しかし、はてなブログでは少しでも簡単に構造化データを追加できないか検討してまいりました。そこで、株式会社ぐるなび様よりデータ提供を受けまして、簡単に構造化データを追加できるようにいたしました。

今後、下記で説明しております新機能を利用して記事を書かれた場合、適切な形で構造化データを含むようになり、検索エンジンにも正しい情報が伝わりやすくなりました。Googleも推奨する構造化データをぜひご利用ください。


はてなブログで構造化データを使うには

店舗・レストラン情報

店舗を示すLocalBusiness、レストランを示すRestaurantの構造化データに対応するには、以下のステップで「ぐるなびカード」をご利用ください。

  1. ぐるなびにアクセスして、紹介したい店舗のページを開きます。
  2. 店舗ページのURLをコピーして、はてなブログの記事編集画面(PC版)に貼り付けます。
  3. 「リンクを挿入」ウィンドウが開き、「埋め込み」「タイトル」「URL」といった貼り付ける形式がプレビューできます。
  4. 「埋め込み」をクリックして選択し、次のようなブログカードを貼り付けます。

r.gnavi.co.jp

このように、ぐるなびのレストランページのURLをリンク挿入で貼り付けるだけで、お店の名前や住所などの情報をブログカード形式にまとめて掲載すると同時に、LocalBusinessとRestaurantに対応した構造化データを付与できます。

パンくずリスト

はてなブログでは、ぐるなびカード以外にも「パンくずリスト(breadcrumb)」の表示で構造化データに対応しています。

パンくずリストは、読者に対して「今どのページを見ているか」を分かりやすく示し、構造化データによって検索エンジンがサイト構造を正確に理解する手助けにもなります。デザイン設定の「記事」メニューから表示・非表示を設定できるので、この機会に設定を見直すことをお勧めします。

関連情報

記事のカテゴリーを「パンくずリスト」として表示できるようにしました

はてなブログでは、記事を求めるより多くの人に届くよう、今後もSEOに関係した機能改善を予定しております。ご期待ください。