本日、はてなは一般社団法人日本音楽著作権協会(以下JASRAC)が管理している楽曲のはてなブログでの利用について包括的利用許諾契約を締結いたしました。これにより、はてなブログのユーザー様がご自身のブログにJASRAC管理楽曲の歌詞を掲載することが可能となります。
ただし、契約の対象ははてなブログのみで、はてなの運営する他サービスは含まれませんのでご注意ください。
また、はてなブログにおいても無制限に歌詞を掲載できるものではなく、掲載にあたっては一定の制約がございます。下記の注意事項をご確認の上、ご利用いただきますようお願いいたします。
注意事項
対象となる歌詞はJASRACの管理楽曲のみとなります。JASRACの管理していない楽曲については本契約にて掲載が許諾されません。楽曲の著作者または著作権管理者を確認し、直接許諾を得て掲載してください。
JASRACの管理楽曲は、下記サイトにて検索が可能です。
また、以下は禁止事項となります。
- 商用目的のブログへの掲載、利用
- 著作者に無断での改変(替え歌など)や翻訳といった、著作者人格権を侵害する態様での利用
- 転載された歌詞を主体として構成されているブログ、歌詞集、歌詞検索サイトとしての利用
- 一旦はてなブログに掲載した歌詞を、さらにはてなブログ外のサービスに転載しての利用
契約に至った経緯について
はてなでは、2016年にブログ記事に掲載された楽曲の歌詞に対して大規模な削除要請を受けた際に、JASRACとの包括契約を検討しましたが、一旦は契約を見送る方針をとっておりました。
本記事の「他社サービスでは利用許諾契約によって歌詞が転載できると聞きました。はてなは契約しないのですか」の項目では、契約を行わない理由として下記のようにご説明いたしております。
著作物を引用し論評や感想を述べる際には、著作権法第32条で定められる引用の範囲であれば、利用許諾契約を行っていない場合も自由にご投稿いただけます。
その一方、引用の範囲を超えて著作物を転載されることは、一般的にはご自身の言葉での表現とは言えず、サービスの方針に沿わないものであると考えております。
今回の決定では、これまでの方針を覆すことともなりますので、決定に至った経緯をご説明させていただきます。
はてなブログには、楽曲の歌詞に対し感想を述べ紹介したり、歌詞で自身の心情を表したり、あるいはライブのレポートとして歌詞の一部を紹介する記事が投稿されることがあります。このような記事は、ご自身の言葉で表現されており、サービスの方針に合致しているブログ記事であると言えます。
しかし、著作権法第32条では、引用について「報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。」とされています。少なくとも、上記のような利用は「報道、批評、研究」には相当すると言えません。この解釈に関して諸説はあるものの、明確に適法であるとは言い切れないグレーゾーンの利用となってしまいます。
また、近年、このような理由から削除申立を受ける事例も増えてまいりました。
はてなブログにとって、ご自身の言葉で心のこもった記事を投稿されたユーザー様に意見照会への対応などご負担をおかけすることや、さらには、申立を受けたことがきっかけで記事が削除されたり、ブログが閉鎖されてしまうことは多大な損失です。
このような現状を踏まえて、あらためて検討いたしました結果、はてなが包括契約をすることで、はてなブログの表現の幅を広げることとなり、多くのユーザー様、さらには閲覧される方に対して、より大きい価値を提供できるようになるものとの結論に至りました。
はてなでは、ユーザー様が安心してサービスをご利用いただけるよう、随時運営方針を見直しルールを整備しております。このような方針につき、ご理解いただければ幸いです。